3月23日に、酒に溺れようとした話

 


23日は久しぶりに、お勤めもお務めも、何もないお休みだった。
ブログの内容を全て鵜呑みにすれば、3月2日以来の完全オフである。尊い


「せっかく休みだし、WBCの決勝を見ることにしよう。楽しみだなあ」

なんて、思っていたのだが、僕のガンバレ日本は届くことなく、一足先に大会は終わってしまった。
米プ戦にも興味はあるが、僕にとって、尊い休みを費やしてまで見るものでもなかった。


8時45分に目を覚ました。お勤めの日より、1時間ゆっくりだ。それだけで、過分に寝た気分になるのだから、慣れというのは恐ろしい。
ついこの間までは、昼過ぎまで寝るのが普通だったのだ。


僕と、同じ代のキャプテンとで、高校の柔道部へ、顔を出すことにした。
顧問が怪我の治療から復帰したので、卒業の挨拶も兼ねて、顔だけ出すことにしたのである。

 

顧問はピンピンしていた。相当ひどい事故に遭遇したはずなのだが。

「アホー!俺が死ぬわけあっかーい!何年俺と付き合っとんじゃ!」

と、ゲラゲラ笑っていた。
本当は、それが彼なりの照れ隠しだということを、僕たちはよくわかっている。
そういう人だから、好きだ。

 

練習を、ただ見ていた。今の高校生は、僕たちの頃よりも、だいぶたくさん、真剣に練習している。いいことだ。

途中少しだけ、寝技の練習台になってあげた。
僕は現役時代、寝技も立ち技もあまり器用ではなくて、一芸だけで必死に食らいついていた人だ。から、しんどかった。

しっかり練習して、多彩な技を持つ高校生に対して、ひたすら耐える無職の僕。情けない5分間であった。


それから練習が終わるまで、部員達のなんやかんやを眺めていた。
僕が初めて教えた頃よりも、随分上達していて、もはや教えられることなんてない。
横手の邪魔にならないところで、キャプテンと二人、投げ納めをしていた。

 

練習終わり、顧問とキャプテンと、三人で昼食。
顧問の事故の詳細を聞く。やっぱり、かなり九死に一生だったみたいで、
「飯の時にする話ちゃいますね」
と、笑った。
笑えてよかったですよ、ほんとに。


市役所に行くつもりだった。学生じゃなくなると、年金の免除がなくなるので、その詳細を確認するために、である。


ただ、思いの外からだが疲れていて、どうにも行く気になれず、結局、電話でことを済ませてしまった。
免除を申請するにしても、支払うにしても、一回窓口に行かなければならないらしい。
めんどくさい。

でも、役所の割に、電話担当のおばさんが丁寧だったので、そんなに嫌な気分ではない。


一旦帰宅して、ギターを弾いていた。
キャラじゃないし、柄じゃないよなぁ。まぁ、それはええやんか。


17時半に、待ち合わせをしていた。
中学時代の親友と。

彼は大体、待ち合わせの時間に遅れてくる人なので、僕は35分ごろ到着するように、予定を組んでいた。
果たして、彼は遅れてきた。17時40分に合流。少しだけ、読みが外れた。


彼の方から、飲もうと誘ってきたのに、彼はほとんど酒を飲まなかった。
飯を食って、梅酒を飲んで、悦に入っていた。

僕は一人、二合のひや酒を、チビチビ飲んでいた。海鮮どんぶりが美味しかった。


将来のこととか、色恋のこととか、昔のこととか、神様のこととか、色々話した。

「お前は昔と変わらんなぁ」

と、僕に言う彼の表情は、昔と変わらなかった。


二軒目に彼を誘ったが、渋る渋る。
お腹がいっぱいなのだという。くる前にハンバーガーを食べたらしい、アホか。

じゃあお茶でもしようと、近くの純喫茶に足を運んだ。
とあるアニメで、人気のあそこ。

 


ここのコーヒーが、ちょうど僕の好き
な味で、好きな味だから、好きなのだ。


閉店まで、1時間くらいしかなかった。
チャック・ベリーのこととか、テネシーワルツのこととか、なんでもないことを、二人でツラツラと喋った。

彼はバナナシェイクを見て、
バナナシェイクやなぁ」
と言った。抹茶シェイクではないな、と答えた。


僕は、コーヒーとワッフルを食べた。美味しかったけど、はち切れそうなくらい、食べてしまった。本当に食べ過ぎると、人間、背中が痛くなるらしい。


閉店まで居座って、別れた。
本屋に向かう彼の背中を見送り、僕は痛い背中を守りつつ、駅へと向かった。
あんまりにも背中が痛いので、途中少し、トイレで休んだ。
尾籠な話だが、粗相は一切していない。ただ、便座に座って、休んだだけで、だいぶ楽になった。不思議だった。


最寄駅に着き、例によって、坂道を登って帰った。今日はコワモテはいなかった。誰もいなかった。

神社にお参りして、帰宅。早い時間に飲み始めた甲斐あって、21時頃には帰宅することができた。

部屋に戻って、またギターを弾く。近所の決まりで、演奏は22時までしかできない。逆に言えば、22時までは許されているのだ。

酔っているから、興が乗って、適当な唄をふんふんと歌ったりしていた。

それでも、酒が足りなかったので、冷やしていた日本酒、

龍刀 米のささやき

道後浪漫(先日の旅行土産)
を、
チビリチビリ飲み比べた。

米のささやきの方が、格段に上だ。値段も上だけど。僕の神様の愛飲酒。
そして、僕の愛飲酒でもある。高いから、いつも大事に大事に飲んでいる。


大事に大事に飲んでいる酒を、構わずドンドン飲んでしまった。


僕は酒に溺れたことがない。限界まで飲んで、訳が分からなくなったことがない。
一回、それをやってみたかったのである。ドンドン酒を飲んで、ドンドンと酔った。

が、ダメだった。いくら杯を重ねても、僕はただただハイになるだけで、灰にも廃にも這にもなれず、そのうち酒は切れてしまった。


一度、しこたま酒を飲んでみたい。それも、安酒ではない、美味しいやつを。


酒に重たくされた瞼をこじ開け、ふとTwitterに目をやると、第三軌条のお兄さんが、悪酔い人間製造チューハイを飲んでいた。
酒はいいネと、志ん生の口調で呟いた。