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3月19日に、二年経った話

 

2015年3月19日。
この日付を、たぶん僕は生涯忘れないし、これから何年、何十年か経っても、僕はこの日泣く。


あの日、バイトの帰り道だから、23時頃。
携帯を開いてすぐ、数件溜まったLINEの通知に気がついた。

 

普段は暇で仕方ない飲食店だったのだけど、たまたまその日は忙しくって、携帯電話を見る暇もなかったのである。

 

とはいえ、仮に携帯を見る暇があっても、友達が少ない僕に、LINEが複数人から、しかも一気に来ることなど、滅多にない。

 

 

訝しがりつつ、通知を開く。
全部、慰めの言葉だった。

「残念やね」
とか、
「元気出しよ」
とか、そんなのが、複数の知人から、一気に届いていた。


訳もわからず、首をひねった。
何か情報があるかと思って、Twitterを開いた。
僕はその頃、すでにツイ廃だった。


落研用に作っていた、アカウントを開く。

 

 


「ご冥福をお祈りします」
「今夜は百年目を聞いて偲びます」

 

 

 

この文字列を見ただけで、半分事態を理解していた。
心臓が冷えて、脈拍が速くなったのがわかった。

 


怖くて怖くて仕方がなかった。見たくない思いを抑えて、Yahoo!のトップページを開いた。
ちょうど自宅の玄関先にたどり着いたときだった。

 

 

 

 

僕の神様、その訃報が掲載されていた。

 

 

 


膝から崩れ落ちた。比喩ではなく、本当に崩れ落ちた。
玄関にすがって、泣いた。声をあげて泣いた。

来るべき時が来てしまった。神様が、世界からいなくなってしまった。
しばらくそこから、動けなかった。

 

 


あの夜の続き、ここから先を書こうとして、僕の指がそれを許してくれなかった。

当時そのあとどうしたのかを、僕は克明に覚えているけれど、それは僕と神様との約束で、秘密で、内緒のことなのだ。

 

ただ、見上げた星空が綺麗な夜だった。

 

 

あれから、二年が経った。

僕はいま、神様のいない世界で、神様の歩んだ道をなぞろうとしている。

願わくばいつの日か、この道が僕の道となって、広がってくれますように。

 

 

その日まで僕は、地道にゆっくりと、この道をなぞっていこうと思う。