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3月8日と9日に、道後温泉へ行った話②

 

12時25分、松山市駅に到着した。予定より、10分遅れての到着だった。

 

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路面電車に乗って、大街道電停まで。徒歩15分の距離だから、普段なら歩くところなのだけど、そうするには少し寒かった。
雪が降ったり、雨が降ったり、止んだり、降ったり。変わった天気だった。

迷うことなく、路面電車に乗った。だって、卒業旅行だし。贅沢しようよ。

 

 

 

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すし丸本店は、大街道駅から、歩いて5分のところにある。
ここの松山鮓(もぶりめし)を正岡子規が愛し、夏目漱石にご馳走したのだという、ゆかりある店だ。

品のある、いいお店だった。湯のみがでかいな、と思った。緑茶は江戸前だった。食べなかったけど、にぎり寿司もそうなのだろうか。

 

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味について、ここで言葉をいくつ並べたところで、あなたと僕が気持ちを共有することはできないだろうけれど、
美味しかったよ、とだけ。
1100円くらいのランチではあるけれど、いいでしょう、旅行なんだし。散財しようよ。

 

 

 


松山には、おいしい鯛めしの店がいくつかあるけれど、その手のお店の多くが、道後温泉に支店を持っていたりする。
かく言うすし丸だって、道後温泉にも支店があるから、万が一満席で食べられなかったとしても、困りはしない。観光客に優しい街。


昼を食べてから、電停に戻る。
大街道電停の正面に、松山三越百貨店があった。
三越には、あまり馴染みがない。関西ならどこにあるのかしら。

 

三越のロッカーに、スーツケースを預けた。あと、リュックサックの中の重たいものも。髭剃りとか。
コインロッカーは、全サイズ100円というありがたい値段。
つくづく観光客に優しい。大阪も見習え、なんやねん500円って。


身軽になって、松山城へ向かう。
小雨がぱらつき出したので、折りたたみ傘を広げた。
傘を持たない人が、たくさん濡れている。こういうところから、太田道灌という話は生まれるのだろう。


ロープウェイ乗り場の女性従業員の制服が、マドンナのそれだった。坊ちゃんの方。

券売機の横にいた、新人らしい女の子が一番可愛かった。初々しくて。いつまでもそうあってくれ。


松山城は山城だ。山の天気は変わりやすい。
乗り場に到着した時点で、小雨は大雨になり、吹雪になっていた。

リフトで登ろうと思っていたのだけど、雨天運休で、仕方なくロープウェイに乗り込む。
いずれにしても、登山より楽なのは同じことだ。

 

ロープウェイにもマドンナが乗っていたが、こちらは少し年のいったマドンナだった。ナマンドって感じ。

マドンナの観光案内を、ほとんど誰も聞いていなかった。関西から来た風の女子グループが、姦しくしていた。こういう人たちと旅はしたくない。


山頂についたら、吹雪は小雨に戻っていた。
ロープウェイの降り場には、貸し傘が15本ほど用意してあって、余計に太田道灌の世界である。みんなちゃんと返してたけど。

 

雨は降ったり、止んだりしていた。

ボチボチと10分ほど登れば、松山城天守閣にたどり着く。入城券は、ロープウェイ往復とセットになっている。

 

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入城直前に、止んでいた雨がまた降って来て、走って城内へ入った。
城で雨宿りする民衆。世が世なら、首が飛ぶところであろうに。


松山城は三層構造で、高さ自体はそんなにないのだが、山の上に立っていることもあって、体感高度はなかなかのものだった。元々、五層構造だったらしいが、何代目かの城主の時に、改築して三層にしたんだとか。なんで?


バリアフリー化が難しい(重文なので)らしく、ご老人にはあまり優しくないが、木造の現存天守であり、雰囲気が全然違う。大阪城にしか行ったことない人が見たら、カルチャーショックでお堀を埋めてしまうかもしれない。


同行人は、傾斜のきつい階段の上り下りを恐れていた。
姫路城のトラウマがある、と語っていた。なんのことやら。


暇なのか、城内管理人のおじさんが、やたらと大きな声で色々と教えてくれた。わかりやすかったけど、それ全部、そこの説明文に書いてあるよおっちゃん。

 

面白い展示物がたくさんあったけれど、江戸時代の落書き(侍の顔)が、一番よかった。磯兵衛みたいな画風だった。


城を出て、ロープウェイ下山乗り場(さっきまで降り場と呼んでいたところだ。役割が変われば、名前も変わる)へ戻る。
東雲神社という神社に行きたかったのだが、天候と、神主の評判がイマイチで、やめた。

 

 

 

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雨と寒さに冷えてきたので、下山乗り場の正面にある土産物屋に入る。
飴湯を飲んだ。同行人は、かき混ぜもせずにチビチビ飲んで、終盤、底に沈んだドロドロの葛と格闘していた。


僕はいよかんソフトを食べた。
美味しかったけど、いよかんがほのかに香る程度で、これなら普通のソフトクリームでよかったな、と思った。
(とはいえ、伊予でいよかんソフトを食べるということに、値打ちがあるのである。)


リフトの運休は解除されていた。
けれど、寒いし雨だし、帰りも大人しく、ロープウェイに乗った。マドンナは、違うドマンナになっていた。

ロープウェイに乗って、世間を見下ろしながら下山する。

 

リフトに乗って登ってくる観光客たちが、なぜかこちらに、笑顔で手を振ってくる。旅先にいると、人間は手を振りたくなるのかもしれない。

 

横の子どもたちがその役を担ってくれたので、僕は振り返さなかった。

寒緋桜が美しかった。目の前で、春と雪が、見事に咲きほこっていた。